新しい研究

前回の日記から大分時間が開いてしまった。ここ1か月を振り返ると、まず科研費の応募書類を書いた。今回は試みに、あえて本文に強調の太字や下線を使わないようにしてみた。審査員の方々はいちいち細かいところまで読んでいる暇がないと思われるので、こうした強調の技法をうまく使うことで論旨を的確に伝える、ということをやる人が多い印象である。しかし、これをやると(個人的には)チープな感じがしてしまい、あまり好きではない。というわけでそんなことをしなくても容易に読め、重要なポイントが伝わる文章を考えてみた。これが功を奏したかどうかは結果をみて判断したい。

 次に共同研究の論文用のシミュレーション結果を順次出した。それぞれの結果の図はかなり細心の注意を払って綺麗な図にしてみた。以前までは図の出力に主にmathematicaを利用していたが、これだと(棒グラフの描画が普通のプロットとは異なる体系になっている?せいで)棒グラフを書いたり細かい調整をするのが面倒なことに気付いた。そこで今回から試験的にgnu plotを利用している。今のところは非常にいい感じである。なによりmathematicaと違って、何かわからないことがあってもネットを調べれば大体すぐ解決するのが良い。一方mathematicaは込み入った図(3Dとかネットワークとか)を美しく出力するのにはおそらく向いていて、使い分けすると良さそうな感じだ。肝心の結果に関しては、共著者とメール上で色々議論を行い、提示するのに最適なパラメータセットを決めたりして、最終的な図を完成させた。先日それを元に集まって議論を行い、あとは文章を書くだけの運びとなった。完成が非常に楽しみである。

 さて、先日plos oneに投稿した論文ははや一か月を数えるが、ようやくwith editorになった。無論、まだレビュワーには回っていない。査読に回ればそのあとのプロセスは早いということらしいが、最終的に何日待たされるのであろうか。。。

 

そんなこんなで手元の研究が片付いてきたのでそろそろ次にやることを考えねばなるまい。そう思ってこのところ、いくつか論文を読んでイマジネーションを膨らませている。これはいける!と思っても、翌日よくよく検討してみるとあまり意味がないように思えてきて振り出しに戻る、ということを何回か繰り返している。新しい研究のざっくりした方向性はなんとなく見えている(気がする)ので、今日知り合いの研究者の方に相談メールを投げてみた。今年は二本の論文に滅茶苦茶時間をかけているので、何とかして年内にもう一本投稿したい。

 

 

 

 

 

10月19日

Scientific Reportsに投稿していた論文がjounalのscope外ということでrejectされて返ってきた。まあ分野の境界に位置する研究なのでrejectされたこと自体はいい。ただレスポンスが遅すぎる。まずquality control(原稿のスタイルが所定の条件を満たしているか)に10日間ほど。そしてエディターに回り、4、5日間。トータル2週間ってどういうこっちゃ。細かい投稿規定なんて、明らかにダメな原稿だけはじいて細かいことはアクセプトした後チェックすればいいのに…

まあそんなことを言っていても仕方ないので即、別のOA誌に再投稿した。

 

 

先週末にかねてから進めている共同研究の打ち合わせがあり、論文の骨子について大枠合意に至った。なのでこれからはそれに必要な結果を整理しつつ出力する、という作業である。モデルはできているとはいえ、いくつもあるパラメータ範囲を一定の妥当性の下で絞り込んだり、色々な新しい境界条件でシミュレーションしたりと、やることは多い。加えて科研費の書類も今週中に仕上げないといけないのでかなりシビアである。本当は今日大部分を片付けたかったのだが前述の再投稿のせいで半分くらいしか終了していない。。

 

 

 

 

共同研究

今日は共同研究者の方とスカイプで情報共有と今後の方針の相談をした。加えて、別の研究のシミュレーションを修正。とりあえず微修正でやりたかったことは実現できそうだということに気づき、計算をし直している。残りの時間は科研費の書類に書く研究計画を詰めるため、関連しそうな論文を片っ端から集めている。とりあえず全部Mendeleyに突っ込んで、明日以降iPadで読む。

 

明日から研究室のゼミが再開する。

 

 

失敗は成功のもと

先日微妙に変えたシミュレーション、結局元のほうが良いという結論に至った。粒子の排除体積を変更した結果、渋滞していない領域で実験結果よりも流量が高く出てしまうことが分かった。

少なくとも、これをやるとうまく行かないという知見を得たのはすこし前進ではある。元のモデルのパラメータ領域をもう少し詳細に調べて行こうと思う。

 

また先日整理した共同研究、何故だかわからないが、今日複数個所からまとめて連絡が来た。とりあえず今週打ち合わせが入ったのでそれのための資料作りのようなことをしていく予定である。

 

 

パラレル

今やっている研究、やる予定の研究を整理した。

 

最近は色々共同研究という形でやっていて、自分以外に投げているものが多く「あれ今どうなってたっけ」というのが良くわからなくなる。

 

まだそれらの大多数は作業が本格化してはいないが、今後同時並行で進めることになれば頭を即座に切り替えて一気に集中力をトップスピードまでもっていけないと効率が落ちてしまう気がする。

 

ここ数日は、とある研究でやっているモデルを簡略化したモデルについて理論ができないか考えていて、割とセンスよさげなMappingができないか検討している。これがうまく行けばそれなりに良い研究になりそうで楽しみである。

 

 

試行錯誤

 先日のシミュレーションに関しては色々試している。今回の修正では流れている粒子の排他体積が事実上小さくなるような変更を行ったため、全体的に流れが増え、パラメータの変動に対する振る舞いは大きくは変わらない、という結果が出ているようだ。

今後は仮定したパラメータをおかしくない範囲で振って、現実の振る舞いとどこまで近くなるかを試す、という作業をすることになる。

 

 結局、先日投稿した論文は残念ながらエディターキックを食らい、オープンアクセスジャーナルに投稿することにした。実力至らずという感じではあるが、面白い結果ではあるので多くの人に読んでもらえるよう売り込んでいきたい。オープンアクセスジャーナルは最近流行りだが(査読したことはあるけど)出したことはないのでどういう感じでプロセスが進むのか楽しみではある。

 

とりあえず手持ちの研究は捌けてきたので、ネットワーク&流れ関係で新しい研究を始める。どの辺りにフォーカスするかは今後のサーベイなどを元に考えたい。科研費の書類もあるので丁度良い、という感じだ。

 

 

 

 

最初のほうで仮に設定した条件は意外に忘れやすい

少し前から、とある生物系のモデルを作っている。ここのところは別の論文にかかりっきりになっていたので久しぶりに戻ってきた。モデルの出来としては既にまあまあなところまでは仕上がっていて、もう少し手入れすれば物凄く良くなったりしないかなあと試行錯誤している段階である。

 よくモデルを作るときに、別にどういう風に設定してもいいのだけど、とりあえずこんな風にしておくか、という仮置きの状態でとりあえず作ってしまうことがある。こういうことをした場合、明示的に「ここは後で何か結果がおかしかった時に変えられますよ」とメモしておくことが重要である。私の場合、色々とパラメータを変えて結果を出力したり、様々な量を調べたりといったことをしていると、熱中してしまい、ついそれを忘れがちになる。そもそもモデルの時点で変更する余地があるということを常に意識しておくとハマる前に抜け出せる場合があるので要注意である。

 今回はその修正点を実装し、シミュレーションを回し直す、という作業を行った。結果はそのうちでると思う。今回の場合、対象とする実際の”粒子”の間の相互作用の距離がどうなっているかがざっくりとしかわからないのでそこを変更したわけである。

 

 

午前中はとある研究集会を聴講してきた。自分の研究にそのままダイレクトに関係する話ではなかったが、アイディアのレベルはで何かの役に立った気がする。。。

 

午後は研究室に戻り、査読。前arXivに上がっていて「へー彼らこんな論文出したんだ」とおもった論文が回ってきた。内容が思ったより数理的に重いので、どこまでツッコんで査読するかが悩ましい。少なくとも1日や2日で返す(普段大体の場合そうしている)のはやめて考えようと思う。

 

夕方からは冒頭に述べたプログラムの書き換えを行っていた。結構ややこしい書き方をしてしまっていたので、思い出しながら解読し、傷口が最小になるように該当部分を変更。

 

週末なので帰ってゆっくりしよう…