さきがけ

この度、「ボルツマンマシンを利用した脳の機能障害ダイナミクスの理解」という課題でJSTのさきがけに採用されました。最近更新が滞っていましたが、本プロジェクトに関する内容など含めポストしていきたいと思います。

 

新しい環境

四月からとあるプロジェクトの研究員として働くことになり、都内のとある国立研究所に異動となった。ようやく研究室の引っ越しや様々な手続きがひと段落して研究体制が整った。研究環境としては非常によく、かなり集中して研究に取り組めると思う。

 

以前書いていた論文は少々の紆余曲折ののち無事レビューに回り現在査読中となっている。良い知らせを待ちたい。

 

3月くらいからデータ分析に関する新しい研究を始めている。これはうまくはまれば相当なインパクトが出るような研究で、非常に楽しみである。一通りの(新しい)既存手法でできることに関しては何とかコードを実装でき、実際のデータに適用してみて結果がどうか、ということを見はじめたところである。とはいえ、まだ実装が正しくできているか不安な面もあり、現在は正しさをチェックしている段階である。

本日からかなり本腰で研究の作業が再開できた。共著者に質問を投げたり、一通りのコードを整理して足固めがだいぶ進んだ気がする。明日もこの調子で進めていきたい。

 

Closing

 前回の日記から2か月弱が経過したが、件の論文はほぼ投稿間近となった。記録によると12月7日くらいから原稿を書く作業を開始したらしいので、年末年始がなかったことを考えると二か月くらいかかっていることになる。その間原稿は20回程度アップデートされているので(無論、共著者の方のおかげだが)いままで自分が書いてきた原稿と比較すると比べ物にならないほど細かいところまで詰められているのではないかと思う。

 こういうふうにひとつのプロジェクトにどれだけ時間を使ったかを記録していくことは結構重要なのではないか、ということに最近思い至った。日単位ではなく、時間単位で簡単に記録したいと思い、togglというウェブサービスを使い始めてみた。これで論文が書きあがるまでにどれくらい時間がかかったのか後でみればわかり、今後の計画などに利用できるような気がする。

 やってみて気づいたのが、研究室にいる時間に比べて(思ったよりは)少ない時間しか使えていないということである。単純に時間の効率化という面でもいいのかもしれない。最近やり始めたばかりなので、1プロジェクトまるまるこれを使って記録したものが上がってくるのはもう少し先になるかもしれないが、辛抱強くつづけてみたい。

 

Manuscript

件の論文については原稿を前回の日記のあと12月7日あたりから書き始めた。そこから大幅な結果の増量などもあり、現在は数回やり取りしたところである。自分にとっては新しい分野のため参考文献の知識が乏しいのがつらい。ただ共著者の方が毎度正しい方向性を示してくださるのでその意味ではかなり効率よくレベルアップできている気がする。今年度中にもう一度アップデートして年末を迎えたい。

Cooperation

前回の記事から一週間、人間の協調行動についての研究がスタートした。モデルを使った数値計算の研究である。

 とりあえずあたりを付けていたモデル自体は初日に実装できたのだがいまいち実験結果と整合する結果が出ない。二つの量の変化を見ているのだが、概ね期待通りの振る舞いをしている一方で大小関係が逆転するところがどうしても出てしまうのだ。

 これを除去するのが一苦労であった。モデルを修正したりパラメータ範囲を変化させたりして逆転が出ないようにするとその他の(実験と整合するという意味で)望ましい性質も失われてしまった。結論から言うと元のモデルを形の上では変更せず、あるパラメータの解釈を変えて変化可能な領域を変えた。これで概ねこれまで報告されている(多少のバリエーションがある)実験結果をあるパラメータの範囲の中で再現できるところまでこぎつけた。

 明日以降は、論文の後半部分(内容としては追加的な部分、だがまあまあ作業量はある)をやる。

時間スケール

 先週、知り合いの研究者の方にいろいろ教えてもらい、(仮に狙い通りの結果が出れば)手っ取り早く新しいことができそうなテーマが見つかった(というかほぼ提供してもらった)のでそれをやっていた。結論からいうと仮説は誤りで、この方針で進めても大したcontributionにならないということであった。ただ、モデルのコーディングを始めてから2日でこの結論に至ることができたので(このあたりのことを勉強できたという意味では)時間当たりのコスパは良かったように思う。

 同じ方から別のテーマ(こちらの研究の狙いはそこまでリスキーではない、がインパクトは比較的高そう)を一緒にやらないかというお誘いを頂いたので今日はこのあたりの(教えてもらった)論文を幾つか読み、大体のイメージを掴んだ。わからないことや方針を即座に教えてもらえているので、ここのところ非常にテンポよく研究が進められている。この調子でじゃんじゃん論文を書いていきたい。

新しい研究

前回の日記から大分時間が開いてしまった。ここ1か月を振り返ると、まず科研費の応募書類を書いた。今回は試みに、あえて本文に強調の太字や下線を使わないようにしてみた。審査員の方々はいちいち細かいところまで読んでいる暇がないと思われるので、こうした強調の技法をうまく使うことで論旨を的確に伝える、ということをやる人が多い印象である。しかし、これをやると(個人的には)チープな感じがしてしまい、あまり好きではない。というわけでそんなことをしなくても容易に読め、重要なポイントが伝わる文章を考えてみた。これが功を奏したかどうかは結果をみて判断したい。

 次に共同研究の論文用のシミュレーション結果を順次出した。それぞれの結果の図はかなり細心の注意を払って綺麗な図にしてみた。以前までは図の出力に主にmathematicaを利用していたが、これだと(棒グラフの描画が普通のプロットとは異なる体系になっている?せいで)棒グラフを書いたり細かい調整をするのが面倒なことに気付いた。そこで今回から試験的にgnu plotを利用している。今のところは非常にいい感じである。なによりmathematicaと違って、何かわからないことがあってもネットを調べれば大体すぐ解決するのが良い。一方mathematicaは込み入った図(3Dとかネットワークとか)を美しく出力するのにはおそらく向いていて、使い分けすると良さそうな感じだ。肝心の結果に関しては、共著者とメール上で色々議論を行い、提示するのに最適なパラメータセットを決めたりして、最終的な図を完成させた。先日それを元に集まって議論を行い、あとは文章を書くだけの運びとなった。完成が非常に楽しみである。

 さて、先日plos oneに投稿した論文ははや一か月を数えるが、ようやくwith editorになった。無論、まだレビュワーには回っていない。査読に回ればそのあとのプロセスは早いということらしいが、最終的に何日待たされるのであろうか。。。

 

そんなこんなで手元の研究が片付いてきたのでそろそろ次にやることを考えねばなるまい。そう思ってこのところ、いくつか論文を読んでイマジネーションを膨らませている。これはいける!と思っても、翌日よくよく検討してみるとあまり意味がないように思えてきて振り出しに戻る、ということを何回か繰り返している。新しい研究のざっくりした方向性はなんとなく見えている(気がする)ので、今日知り合いの研究者の方に相談メールを投げてみた。今年は二本の論文に滅茶苦茶時間をかけているので、何とかして年内にもう一本投稿したい。